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【協力】
鈴木久敏先生(筑波大学)、
横幹連合 事業・広報・出版委員会 広報WG
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■横幹連合
 ニュースレター編集室■
武田博直室長(セガ、日本バーチャルリアリティ学会)
大倉典子委員(芝浦工業大学、日本バーチャルリアリティ学会)
高橋正人委員(情報通信研究機構、計測自動制御学会)
坂本 隆委員(産業技術総合研究所、日本感性工学会)

横幹連合ニュースレター

<<目次>> No.008, Dec. 2006

巻頭メッセージ

活動紹介

参加学会の横顔


「学問の体系化と展開」

*

横幹連合 理事
安岡 善文
【参加レポート】
第1回横幹連合総合シンポジウム
知の統合ワークショップ
 「横断型科学技術と数学」
共生コミュニケーション支援調査研究会シンポジウム
【横幹連合に参加している
 学会をご紹介するコーナー】

社会・経済システム学会
 
日本オペレーションズ・
  リサーチ学会

イベント紹介

ご意見はこちらへ

 
◆「イノベーション戦略に係る知の融合調査」アンケート

第14回横幹技術フォーラム
 
◆これまでのイベント開催記録
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巻頭メッセージ

「学問の体系化と展開」

 安岡 善文 横幹連合理事

  東京大学

 去る12月1日、2日に第1回横幹連合総合シンポジウムが開催されました。シンポジウム開催の趣旨についてはニュースレター前号の巻頭メッセージを、プログラム、講演内容等の詳細は、本ニュースレターの記事を参照ください。ここでは、私が司会を努めたパネル討論「縦と横の連携が新たなイノベーションを拓く」での議論を通じて感じたことを、述べたいと思います。
 
 本パネルでは、長い歴史を有し、夫々の領域において学問の体系を構築してこられた学会からのご参加を頂き、学問領域、また学会の連携や融合について議論が行われました。参加いただきました学会、およびパネリストは次の通りです。
  ・情報処理学会 副会長 中島 秀之 氏(はこだて未来大学)
  ・電気学会 副会長 滝沢 照広 氏(日立製作所)
  ・土木学会 会長 濱田 政則 氏(早稲田大学)
  ・日本機械学会 会長 笠木 伸英 氏(東京大学)
  ・横幹連合 副会長 木村英紀 氏(理化学研究所)
 
 パネルの中で、司会者として感じたポイントを一つだけ挙げたいと思います。
 学問領域は、夫々の論理や理論の体系を構築してきました。多くの領域で、その中での学問体系を統一的にかつ美しくするために、境界条件を狭くまた厳密にしてきたのではないでしょうか。しかしながら実際に世の中で起きている事柄は、境界条件とは無関係に発生しますから、境界条件の狭さや厳密さからはずれ、一つの学問領域の体系では解決できなくなります。吉川弘之横幹連合会長がシンポジウムの冒頭での基調講演で述べられた、今日の学問が現代の邪悪(注)に対応できなくなっている、ということは、まさにこのことを言われていると思います。言い換えれば、単独の体系で解決できる問題は既に解決され、解決されない問題が残った。それらの問題が、地球規模での環境問題や災害の問題である、といえるでしょう。
 この解決には、
  ・これまでの学問領域が、他領域の知を取り入れ、その境界条件を拡げることによって
   学問体系を展開する
  ・これまでの学問領域で、共通に取り入れられていた横軸領域を独立させ、
   独自の学問体系を展開する
という二つの方法が考えられます。横幹連合の設立は、後者の一つの試みといえます。今回のパネルは、これら二つの展開を進めている学会が集まり、夫々の展開の方法や問題点を議論する場となり、その意味で大変良い議論ができたのではないかと思います。
 特に、横幹連合が進めていくべき方向として、
  ・新しい学問体系としての横幹理論の構築
  ・学会の連合としての展開方針の策定
  ・縦型学会との連携の模索
が必要であると議論の中で明らかになったことは、大きな収穫であったと思います。
 参加いただいた学会の諸先生、また討論に参加いただいた皆様に感謝いたします。


(注)過去においては自然災害や病気、貧困、強盗など人類社会の外部から攻撃を仕掛けてくる可視的な敵であったが、現代では、地球規模の人口、環境、事故の巨大化、新しい感染症、民族間の諸問題、都市の孤独、電子犯罪、持続可能な開発の矛盾などの諸問題を含むので、過去の「可視的な外敵よりも戦うのが難しい」。<文責:編集室>

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