第5回横幹連合総合シンポジウム | 講演要旨

【C会場-1】一般セッション(2)】 
司会:木村 忠正(科学技術振興機構)

11月29日(土)9:00〜10:40 (工学部3号館4階34号講義室)

【10】生産から市場までの農作物流通ネットワークをどう考えるか

<講演要旨>
風評被害の実態を探る上で、我が国の制度上、農協の組織性とネットワークを考慮に入れる必要がある。農協自体の組織構造としてのネットワークと、農協を媒介とする生産者から市場までのネットワークの2点についてである。これらのネットワークの特性について検討する。

*渋谷 和彦 (情報・システム研究機構)

【11】ヒト・モノ・社会が不可分なハイブリッド・ネットワークとして「新技術」「起業家」「規制」を理解することで拓かれる新結合の可能性

<講演要旨>
エジソンが作ったのは電球ではなく電灯事業だった。電灯事業は自然科学・社会科学・人文の境界を越えた、ヒト的アクター・モノ的アクター・社会的アクターという異種のアクターが混淆したハイブリッド(異種混淆)のネットワークである。ハイブリッド・ネットワークを、「エジソン電球」のようなモノとして理解することは、超人的な発明家「エジソン」というヒトを構成する。こうなると我々には模倣不可能である。ハイブリッド・ネットワークとして理解することが新結合を容易にするために必要である。

*入江 信一郎 (京都工芸繊維大学)

【12】環境と産業収益を両立しうるマテリアル・フロー・コスト会計を横串とした、化学物質管理とデザインによる「ケミ管」立国の可能性

<講演要旨>
環境問題を解決するための方策として、環境と企業収益を両立しうるマテリアル・フロー・コスト会計(Material Flow Cost Accounting :ISO14051)を紹介し、これを化学物質管理とデザイン・マネジメントと併用してライフサイクルで運用する「ケミ管」立国を提言する。そのための理論的基盤として、環境問題がなぜ解決困難であるのかについて、大学の知における自然科学・社会科学・人文という三分野の生成過程を踏まえ、科学と技術の関係を捉え直す。

*入江 信一郎 (京都工芸繊維大学)

【13】アマチュアオーケストラにおける高齢演奏家の価値共創に関する一考察

<講演要旨>
アマチュアオーケストラにおいて、高齢演奏家が多く活躍している。彼らは、聴き手や同僚演奏家との価値共創をすることにより、スキルとモチベーションの向上につなげている。こうした活動は、これからの高齢化社会の活性化のための示唆を与えてくれる。本研究では、あるアマチュアオーケストラの高齢演奏家たちを対象に、アンケートやインタビューを行い、それらにデータを分析することで、高齢演奏家たちの価値共創のメカニズムを明らかにする。本研究は、サービス価値創造、知識科学的なアプローチの新たな応用分野を拓くものである。

*藤井 美樹 (北陸先端科学技術大学院大学)、
小坂 満隆 (北陸先端科学技術大学院大学)
 
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