No.060 Feb 2020
TOPICS
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COLUMN
第55回横幹技術フォーラム 「Society 5.0が実現するデータ駆動型まちづくり ‐展望と課題‐」のご紹介
採録・構成 武田博直( 横幹ニュースレター編集室長、日本バーチャルリアリティ学会 )
総合司会 赤津雅晴 (日立製作所、横幹技術協議会 理事)
開会あいさつ 北川源四郎 (東京大学、横幹連合会長 )
◆講演1
「Society 5.0を具現化するデータ駆動型未来都市
‐ハビタットイノベーション‐」
出口敦 (東京大学 新領域創成科学研究科教授)
◆講演2
「データがわれわれが暮らす社会にもたらすインパクト、
新しいサービス・ビジネスの展望」
平山雄太 (WEF C4IR 世界経済フォーラム 第四次産業革命日本センター)
◆講演3
「データ駆動型社会のリスクについて
‐『人間中心』社会の実現に向けたデータ活用のあり方‐」
唐沢かおり (東京大学 人文社会系研究科教授)
◆パネルディスカッション
パネラー:出口敦、平山雄太、唐沢かおり、高野真(フォーブス・ジャパン編集長)
モデレータ:谷繁幸(日立製作所)
閉会あいさつ 田名部元成 (横浜国立大学教授、横幹技術協議会 監事) (以上敬称略)
日時:2019年5月28日
会場:日本大学経済学部7号館講堂
主催:横幹技術協議会、横幹連合
プログラム詳細のページは こちら
2019年5月28日、日本大学経済学部7号館講堂において、第55回横幹技術フォーラム「Society 5.0が実現する データ駆動型まちづくり ‐展望と課題‐」が行なわれた。 総合司会は、赤津雅晴氏(日立製作所、横幹技術協議会理事)が務めた。
今回の技術フォーラムでは、講演1の 出口敦氏(東京大学 新領域創成科学研究科教授)から、スマートシティの国内外のアプローチについて 見事に整理された分類が解説され、講演2として 平山雄太氏(世界経済フォーラム 第四次産業革命日本センター)から、福岡での起業支援スタートアップの実績などについての珍しい話題提供が行なわれた。しかし、それらは後に詳しく紹介させて頂くこととして、唐沢かおり氏(東京大学 人文社会系研究科教授)による講演3の 「データ駆動型社会のリスクについて ‐『人間中心』社会の実現に向けたデータ活用のあり方‐」についての紹介から始めさせて頂きたい。 この講演は、スマートシティで構築される「システムの意味」について、正面から 社会心理学の観点で読み解こうとするもので、Society 5.0のシステム開発者と その社会で実際に生活する住民に即して論じられ、横幹技術フォーラムの話題として満を持した内容だった。初めに短く、本ニュースレターの立場から この講演を重視する理由を述べておきたい。
会誌「横幹」 Vol.12、No.2、2018巻頭言「データサイエンス時代の横幹連合」に 北川源四郎会長が明確に書かれているように、「データ駆動型社会」の社会像は(トップダウンではなく)ボトムアップの帰納的なデータサイエンスが活用される社会だと考えられている。具体的には、地域住民が(プライバシーに触れない範囲で)各家庭の消費電力や 通勤時間・買い物などの行動特性、病歴・要介護度などを「自発的に」システム構築者に提供することによって地域住民の利便性を高めることが(行政的に)構想されている。
Society 5.0では、その結果 「経済発展と社会的課題の解決が両立」されることになるのだ、という。
これについて唐沢氏は 本講演で、「すべての人に対して、より高い満足の獲得が約束された」かのような社会観が与える あやうさ(リスク)を二つ指摘して 詳しく解説した。 (工学的に構築された)「社会システムの意味」が正面から考察されるのは、技術フォーラムの講演では極めて珍しいことではないだろうか。
氏は、「データ駆動型社会」について、初めに次のように想定した。それは、
IoTから集積されたビッグデータを、AI(人工知能)などが分析して、
そこで得られた結果をフィードバックして 再び リアルな社会に「介入」させることによって、
住民の満足感などが高まる(と計画されている)社会である、
という。 そこから生じるリスクの一つは、「住民の心の特性」に関わるもので、この後に紹介する。二つ目は、システム構築者が「技術・工学の価値」を 中立かつ透明であると考え、そのシステムが 誰にとっても価値を持つはずだという「神話」に無自覚のままで(つまり不具合が生じても責任の所在などが議論されないままで)社会実装を始めてしまうことのリスクである。
前者のリスクは、住民の満足感・幸福感に関わる潜在的なリスクで、(1)仮に、(地域住民への)「報酬」とか罰が社会実装時のインセンティブに含まれていた場合には、内発的な望ましい態度形成(住民が「好きだから」やる、「良いと思った」からやる協労)を低下させる場合がある、また、(2)なぜ このように「介入」され続けるのか、という疑問に(往々にして)住民には操作者のネガティブな意図が推論されてしまう、(3)他者や過去と比較したときの差に反応して「比べて良くなること」を過剰に求めるようになるので、住民には現状のサービスが当たり前のものに思えてくる、(4)将来に予想される未知・不確実なリスクについての確率的な記述が、その事象に過剰な不安を喚起する傾向がある、などであるという。 また、 そこから得られる新たな恩恵について分配格差が予想される場合などに、公と私の対立や犠牲などが問題になることもあるそうだ。
また、後者についてのリスクは、元来の「技術・工学」の使命が 「社会にとって価値のあるものを生み出すこと」であったため、誰にとっての何の価値が恩恵になるのかが明示されない場合が多く、価値は中立かつ透明だという「神話」を開発者自身が信じ込んでしまっている事があるという。そのような「神話」から脱却し、その技術によって提供される「価値や規範」に対して開発者自身が先に自覚することが必要だ と唐沢氏は述べた。特に システムにAIを組み合わせた開発では、例えば、マイクロソフト社のチャットボット「Tay」が 差別的な発言を記憶させられて運用を中止したケースなどに見られたように、膨大なデータから集約された特定の価値観や道徳に関わる内容がフィードバックされ社会に介入する場合などに、開発者も住民も、もっと自覚を持つべきではないかと氏は指摘した。
仮に、事前の説明で住民がリスクを「承知」した場合でも、開発者が実装した事には変わりがないからだ。
しかし、(技術者には意味について考える習慣が元来、なかったため)学際的な研究に社会学者などが参加して開発者の自覚を促す機会が用意されたとしても、結局、合意に至らない場合が多く、問題の少ない部分から選んで実装されて行くだけではないか、というシニカルな見方もあるそうだ。 これについては 後のパネルディスカッションの質疑応答の中で、前向きな可能性に唐沢氏が言及されている。改めて、そこで紹介させて頂きたい。
さて、今回の技術フォーラムにおける大きなテーマは、「スマートシティの構築」に係わる内容である。その最先端の事情を、講演1に戻って紹介したい。講演者は、東京大学の出口敦氏。 つくばエクスプレスで秋葉原駅から約30分の「柏の葉キャンパス」駅を中心とした12.7万㎡の周辺地区のエネルギー需要の可視化などを これまで行なってきたという。 また、「柏の葉スマートシティ」のイノベーションキャンパス(複合用途型産業創出地区)の計画は、米国の環境性能認証制度LEED-NDで最高位のプラチナ認証を取得しているそうだ。 ここでは、講演1の「Society 5.0を具現化するデータ駆動型未来都市 ‐ハビタットイノベーション‐」から その要点を紹介する。 氏は、国内外で着々と進められている「スマートシティ」の計画について、次の図を示してその特徴を解説した。
スペイン北部 大西洋に面した「サンタンデール市」(本図右下)では、EUにおけるIoTベースのスマートシティのモデルケースとして、2010年から現在までに市内に1万5500個のセンサーが張り巡らされているそうだ。 例えば、車の排気ガスやCO2を削減するため、車道の混雑時には信号機の青の時間を伸ばしてアイドリングの時間を短くする事であるとか、路側駐車スペースの「空き」情報を路面に設置したセンサーで検知して 駐車スペースを探すドライバーの無駄な走行を防ぐ事 などが行なわれているという。 交通渋滞も約8割が削減されたそうだ。なお、日本の取り組みは 経産省によるスマートコミュニティ構想普及支援事業の公募が2011年だったことなどから大震災の記憶をふまえた電力の安定供給構想を中心に事業計画が立案された地域が多く、出口氏は サンタンデール市の取り組みのようにセンサー情報を社会生活にフィードバックさせる国内のスマートシティの試みは、約10年遅れで今後進められるのではないかと予測を述べた。 ちなみに、つくばエクスプレスの開通(2005年)後に開始された「柏の葉」地区(本図左上)のスマートシティの開発では「環境共生・健康長寿・新産業創造」を中心にした課題解決モデルが提言されようとしているという。この地域ならでは の特色として、ハビタット(居住地)イノベーション、すなわち「住み慣れた住まいに暮らし続ける住民たちが 柏の葉という地域独自の魅力を自らで引き出す」、そのような地域社会の創出が試みられているそうだ。 この目的を推進するために産学協創の「日立東大ラボ 」 では東京大学柏キャンパスに「模擬住宅」などを作り、安心して暮らせる未来都市像を創出するためのデータを集めるなどの多くの取り組みが行なわれているという。また、「日本橋」(本図右上)などの再々開発地区においては、既存のインフラに センサー・ネットワークなどを加えた形のスマートシティの構想が進められているそうだ。
ところで、出口氏はスマートシティの必要性を次のように明解に示した。例えば、人口当たりのCO2排出量を削減しようとする時に、この問題を「環境負荷」の軽減と考えると「夏なのに冷房を我慢すること」といった引き算のイメージで捉えられることが多かったという。しかし、これを「因数分解」して、総エネルギー排出量と人間の総活動量を掛け算すると、別のアプローチが見えてくるそうだ。具体的には、次のような式が成立するという。
つまり、政策提言そのものを「総エネルギー排出量のうちのCO2排出量を削減する」ためにどうするか、と読み直し、同時に「人間の総活動量における総エネルギー排出量が 技術のイノベーションで削減できる」はずだという改善の可能性を考慮に入れれば、仮に(Quality of Life 「生活の質」が向上して)人口当たりの人間の総活動量が増加した未来になったとしてもCO2排出量は全体として削減できることになる。大変に見事なスマートシティにおける環境課題の解決策だと、筆者は感銘を受けた。 なお、「インフラ維持コストの将来の増加」や「労働生産性の向上」などの大きな課題についても同様の因数分解が可能だそうで、新しい社会実装モデルの創出を目指して 日立東大ラボの研究が進められているという。
続く講演2では、データ駆動型ビジネス社会を つつがなく運用するための「データガバナンス」の取り組みと、起業スタートアップ支援の実例などが紹介された。 データガバナンスとは、ある組織が目標を達成する上で情報を効果的かつ効率的に使用するための「プロセスや 役割、ポリシー、標準、評価指標」を指すとされている。 つまり、実際のビジネスや ある組織で使用されるデータについて、その品質やセキュリティを保証するものだそうだ。2017年に(スイスに本部のある国際機関)世界経済フォーラムが これを重要視して、専門に研究するための「C4IR 第四次産業革命センター」をサンフランシスコに設立し、日本では その「日本センター」と「経済産業省」「アジア・パシフィック・イニシアティブ財団」が協力してデータ駆動型ビジネスのための提言や起業支援などを行なっているという。 講演2 「データが われわれの暮らす社会にもたらすインパクト、新しいサービス・ビジネスの展望」で平山雄太氏は、自身が福岡で行なった豊富なスタートアップ支援の経験をふまえて、データ駆動型ビジネスの起業支援が成功して住民に新しいサービスが提供され、それが新しい生活スタイルをもたらすことになる可能性を紹介した。氏の福岡における支援経験では、外国企業の国内提携先とのマッチングや 福岡市民の海外での起業資金調達などにおいて「1社対1社」のマッチングが これまでの基本だったそうだが、ネットビジネスの場合は「1社対多」となり、しかも利用するデータの資源が均質ではないことなどから「データガバナンス」の重要性が高まっているのだという。更に、スマートシティにおいては データ使用の合意形成が事前に行なわれて均質なデータが収集できる可能性のあることなどから、スマートシティは必要な情報のためのプラットフォームとして注目されているのだという。
続くパネルディスカッションでは、3名の講演者の他に、雑誌「フォーブス・ジャパン」の発行人・編集長である高野真氏も議論に参加した。パネルの進行役(モデレータ)は、日立製作所の谷繁幸氏が担当した。高野氏は日本における「データ駆動型まちづくり」や「データ駆動型ビジネス」の創造については、一般的な創業支援のスタートアップよりも スマートシティと組み合わせた活動に大きな可能性があるのではないか、と感想を述べた。 氏は約50社の起業スタートアップに自らも投資して、関係する会社のシリコンバレーでの創業支援にも注目してきたそうだが、スタンフォード大学とその周辺の起業会社との連携などを目にしていると日本企業の「データ駆動型ビジネス」がシリコンバレーなどで世界に伍して成功を収めることは難しいのではないかと思うようになったという。 それよりは、「箱モノ」としての日本のスマートシティの官学連携に からませる形で創業支援を行なった方が、はるかに有利だと思えるのだそうだ。高野氏の指摘を受けて、出口氏は、「データ駆動型ビジネス」には その対象によってグローバルな展開を志向するもの、もう少し狭く都市圏、あるいは、生活圏を志向するものがあると指摘した。 「柏の葉」地区を例にとると、これまで あまり連携していなかった国立がん研究センターやバス事業者がスマートシティという枠組みで、今後、東大柏キャンパスの諸技術や千葉大の豊富な農学の実績などと協力関係を構築することになるので、起業を考えている人たちのための創業支援には有利な環境が用意されるだろうと感想を述べた。 しかし、それは、シリコンバレーという地域社会で、各社がお互いのリソースを提供しあって協力するのと同じことだとも言えるので、「柏の葉キャンパス駅」周辺地区が固有の問題として、データ駆動の環境(範囲)を地域社会に絞って その解決を試みる、またその中で、創業支援にもチャンスを与えるという(高野氏が推薦される)連携に限っての見解を述べれば、そのことはスマートシティが高次元なサービスを作りあげ、その応用を他の地域に広げるきっかけになる可能性があるだろう、と氏は付け加えた。平山氏は、出口氏の話に続けて、他所の地域でも(例えば)防災や観光といったスマートシティのシステム・モジュールの成功事例を活用する場合を考えると、その開発にはMinimal Interoperability Mechanisms (MIM、最小相互運用性メカニズム、ここでは解説しない)のような考え方も必要になるだろうと付け加えた。
さて、会場からパネラーへの質問として、「まちづくり」を目標として 住民が合意するシステム開発を進める場合には、住民が解決して欲しい社会的課題、例えば、道路の雪を何とかして欲しい、近隣とのつきあいをスムーズに進めたいといった 「きれいごとではない」課題が解決されて初めて住民の合意が得られるのではないか、という貴重な問いかけがあった。この質問に出口氏は、全面的に共感を示した。「しかし」と話を続けて、「5.0と わざわざ これまでの行政との不連続性を強調している部分もあって、例えば、自動運転の車で買い物に連れて行ってくれるので便利ですよね、といった予測できる範囲の開発だけを今は行なっているのだが、自宅介護などについても、これまでは支援技術の不足から施設に入居するだけしか選択肢が無かった要介護の老人が、自宅に独居して暮らし続けられるかも知れない、といった『不連続な未来像』が、もしかするとスマートシティを開発して行く中で実現するかもしれない」と指摘した。思いがけない、明るい将来像の披露である。正に、住民の根源的な欲求に応える「不連続」な未来の創出ではないだろうか。
ところで、高野氏のコメントの中に(本稿では紹介しなかったが)混雑緩和のためのスマートシティの交通制御について言及された部分があった。それを受けて、出口氏は、将来のスマートシティでは ドライバーの運転テクニックの上手下手もデータとして参照できる可能性があることから、渋滞回避のために運転しづらい裏道を通るという情報の提供を、ある人には教え、ある人には教えないといったAIによるレコメンデーションの差異が生じ得ることを指摘した。 しかし、これは ビッグデータの分析から得られる恩恵についての「分配格差」「情報差別」だと言われれば その通りなので、出口氏は日立東大ラボの「柏の葉」地区の取り組みには唐沢氏を招いてディスカッションに参加して頂き、ご意見を聞かせて頂いていると紹介した。この話を受けて 唐沢氏が、社会心理学などの知見は実装される社会システムにどう反映できるのか、について言及した。結論としては、お互いの顔が見える距離で一緒に苦労して信頼関係を築き、時間を掛けて考え方を「楽しく」伝えることで、その意見が、AIによるレコメンデーションに反映される「場合もある」ということを認めることで(これまでの学際研究では、結局 すれ違いに終わっていたという)シニカルな見方からは脱皮できるかもしれない、と唐沢氏は答えた。
ところで、「開会あいさつ」において 北川源四郎 横幹連合会長は、横幹連合の役割を改めて強調した。従来の科学技術や学会が高度に専門化・細分化したことで生じた単一の学会では対応が難しい領域、例えば、新しいデータサイエンスの取組みや グローバルな課題に対しては、横幹型科学技術がハブとなって学問分野をつなぎ 融合・統合化を図ることが望ましいと氏は述べた。 そして、それを受けて 「閉会あいさつ」の田名部元成氏(横浜国立大学教授、横幹技術協議会 監事)は、MITメディアラボ副所長 石井裕氏の発言を引用して次のように述べた。 「個々のIT技術が利用されるのは せいぜい数年で、アプリケーションなら20年くらいは使えるだろう。しかし、より高いレイヤーの科学のビジョンについては、きちんとした哲学に支えられ 皆んなの納得するものが構築できれば 100年くらいは持つはずなのだ。」田名部氏は、そして こう続けた。 「石井氏の その言葉に感銘を受け、私は 横幹技術フォーラムでは講演テーマの選択を通して 『より良い社会を実現するための科学技術』の理念(ビジョン)を構築できるのではないかと考えるようになった。Society5.0という概念には、まだ あいまいな部分が多い。 しかし、そうした中で横幹技術フォーラムでは、これまでに 5.0時代のヘルスケアや データ駆動型まちづくりといったテーマで ビジョンの創出につながる内容のプログラムを組んできたつもりだ。100年持つビジョンを、このフォーラムの場から 皆さんと合意形成しながら横幹知で作っていければ、と考えている。」田名部氏は、そう締めくくって 本日の3名の講演者と高野氏、そして モデレータの谷氏、総合司会の赤津氏に対して、大変有意義な時間を過ごすことができたことの謝意を示した。データ駆動型サイエンスの実装を予見させる「まちづくり」についての今回の横幹技術フォーラムは、こうして盛況のうちに終了した。
なお、出口敦氏、平山雄太氏、唐沢かおり氏から 夫々大変貴重な話題提供を頂いたことに、横幹ニュースレターからも感謝の気持ちを申し上げたい。特に、唐沢氏から社会科学の視点のご講演を伺えたことは 何物にも代えがたい。ちなみに、2017年に行なわれた「システム・イノベーション」シンポジウムの吉川弘之名誉会長の講演「システムの意味論」を、本誌の文責で ニュースレターNo.053 May 2018に掲載 している。こちらは主に、企業間のバリューチェーンにおいて機能科学としての「意味の秩序の構築」に関心を促す内容である。併せて、一読をお勧めしたい。
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