【講演趣旨】
現在、携帯電話やインターネットなど多メディア化が急速に進展している。この結果、メディア間の競争が激化すると同時に、メディア間の補完、相乗関係も強化されつつある。このようなメディア状況は、新しい生物種が出現したときの生態系の変化に類似している。新しい生物種の登場は既存の生態システムを一時的には攪乱するが、やがて各生物種が一定のニッチ(地位)を見つけ出し、棲み分けることによって、クライマックスと呼ばれる安定的なシステムを構築する。メディア間の関係も同様に各メディアの機能や特徴に応じて、ニッチが確定し、棲み分けがなされ、新しいメディア・クライマックスが形成されるものと考えられる。本報告では、このような考え方に基づき、新しいメディア・クライマックスの方向性を検討する。
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