【講演趣旨】
情報化が進展した今日、社会的な知を産出するメカニズムとして「著作権制度」と「オープンソース」という二つの対照的な形態が競合している。前者が情報の私的所有をとおして個人や組織による知の創出を社会的に活性化させることを目指しているのに対して、後者は、情報の共同所有をつうじてネットワーク的関係に基づく知の創出を目指している。社会的な知を創出する働きを「知性」と呼ぶならば、本報告の目的は、社会的な知を産出する二つの形態を「内部化する知性」と「外部化される知性」として捉えたうえで、両者の関係を情報学基礎論の観点から分析することにある。
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