【講演趣旨】 地球規模の複雑な現象の高精度予測のために,時空間観測・計測データと最先端の大規模なシミュレーションモデルを統合し,適切な初期値・境界値やパラメータ等を実際の現象をなるべく再現するように決める作業がデータ同化である. データ同化の問題は,制御および統計科学において20数年昔から研究されてきた状態空間モデルの一般化版として定式化できる。ただし,シミュレーションモデルが含む変数の次元が百万次元程度に,また観測の次元も数万程度となるため,私たちは計算の限界に挑戦しなくてはならない。