【講演趣旨】 美術史が形成されたのは、近代からだった。古代から近世までうみだされてきた造形を「作品」とし「美的感覚」によって「評価」をしたのは、近代以後になる。これらの「評価」は、その真価に届くことはない。しかし何物にも定義し得ない「美」とは、人間の発生と共に生まれた。この普遍的スタイル=形は、抽象化されたとしても現在に生きている。その形の本来の姿こそ、我々人間自身の形なのである。