【講演趣旨】
統計的方法における『SN比』について議論する。SN比という言葉は、タグチメソッドの中で多用されているが、伝統的な統計的方法の中で使われることはあまりないと思われる。まず、伝統的な統計的方法に登場する『SN比』と考えられる初等的な統計量とそれが推定している母数を紹介する。次に、それらが非心度と呼ばれるパラメータと結びついていることを示す。このことより、『SN比』は確率分布のパラメータの推測問題として位置づけられることが分かる。さらに、タグチメソッドに登場する『標本SN比』を紹介する。最後に、タグチメソッドにおける『母SN比』を考え、伝統的な統計的方法とタグチメソッドにおける『SN比』との違いについて非心度の観点から比較する。
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