知の統合ワークショップ

横断型科学技術と数学

日 時: 2006年10月23日(月) 13:00〜17:00
会 場: キャンパス・イノベーションセンター 1階 国際会議室(東京都港区芝浦3-3-6)
主 催: 横幹連合
参加費: 無料

開催趣旨:

 科学技術政策研究所が発表した報告書「忘れられた科学―数学」が、関連する学会や研究者の間で話題となっています。この報告書は、わが国の数学分野の「国際競争力」が非常に低下していることを示すとともに、数学やその関連分野に国の予算があまり投じられていない点の指摘であり、科学技術立国を目指すわが国の基盤に関する警鐘を促しています。
 
 文理にまたがる43学会から構成される横幹連合は、これとは独立に、わが国のこれからの科学技術の発展には、「ものづくり」のだけではなく、「コトつくり」の視点が不可欠であることを指摘し、昨年11月に開催された第1回横幹連合コンファレンス「知のダイナミックデザイン」において、知の統合の新たな戦略として「コトつくり長野宣言」を行いました。
 
 「コトつくり」とは、ものの形ではなく その「機能」およびその機能を「創生するプロセス」を重視し、知を体系化していくことです。したがって、「ものづくり」とは縦糸と横糸との関係にあり、両者がうまく織り合って初めて科学技術の大いなる進展が実現できます。「ものづくり」が個別の対象を中心に展開されるのとは異なり、「コトつくり」は個別の分野に依存しない普遍的な概念の提案や方法論の確立が重要となってきます。この側面は、「数学」が持つ性質と類似しており、報告書「忘れられた科学―数学」で指摘されている点と共通性が非常に高いのです。
 
 また、「コトつくり」においては、
  (1) 異なる分野間の共通問題の抽出(新しい概念、モデル化等)
  (2) 問題設定と理論体系化(論理の展開)
  (3) システム方法論の確立とツールの開発
  (4) 様々な分野への適用と分野間の融合
などのプロセスが必要となりますが、いずれのステップにおいても、共通言語としての「数学」の果たす役割は多大です。
 
 さらに、実体として見えるがゆえに理解しやすい「ものづくり」に対し、普遍的な方法論であるがゆえに見えにくく理解されにくい「コトつくり」、という構図は、まさに「忘れられた科学―数学」の持つ構図と同じです。見えないが重要である基盤(数学、横断型基幹科学)がゆらぐことへの危惧をこのまま放置しておくことはできません。
 
 そこで、本ワークショップでは、横断型基幹科学を数学との接点で捉え、科学技術発展の基礎となる新たな学問領域の創出に向けて、何が重要で、何を推進しなければならないかを探ります。

プログラム: html版
 
PDF版(A4判)

参加費:  無料
参加申込み
方法:
このイベントは終了しました。多数のご参加ありがとうございました。
お問合せ先: 横幹連合 知の統合WS係  E-mail:   tel&fax:03-3814-4130
 
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【プログラム】

※PDF版はこちらです。 (敬称略)

◆講演
(各25分)
数学の言葉づくり 小島 定吉
東京工業大学
  科学を統合する数理科学 ― 情報と生命を見据えて 甘利 俊一
理化学研究所
  制御 ― 技術の生み出した科学 木村 英紀
理化学研究所
  新しい科学の文法を目指して − 統計科学の立場から − 北川 源四郎
統計数理研究所
  数(理科)学研究の推進は諸科学発展の要となるか 伊藤 裕子
文科省
科学技術政策研究所

◆パネル
  討論

横断型基幹科学と数学  
 

 
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