公開シンポジウム「グリーン・デジタルによる持続的食料生産:環境保全型DX支援放牧のポテンシャル」

日時:
2022年3月20日 @ 1:00 PM – 5:30 PM
2022-03-20T13:00:00+09:00
2022-03-20T17:30:00+09:00
場所:
TKPガーデンシティ鹿児島中央 Room:屋久島
鹿児島県鹿児島市中央町26-1
お問い合わせ:
シンポジウム事務局(鹿児島大学農学部 食肉科学研究室内)

 2020年度の我が国の食料自給率は、前年度より1ポイント低い37%となり、飼料自給率(約25%)を反映しない牛肉の自給率は36%、飼料自給率を勘案すると10%以下にすぎない惨状であります。本来反芻動物の牛は穀物の生産に適さない過酷な環境でも栽培可能な牧草、稲藁や麦藁などの農場廃棄物などの粗飼料だけで生育できる家畜です。しかし我が国では商品価値を高めるために大量の穀物を給与して飼養しています。地球規模で進行している食料危機への対策として、原点にもどって人類が直接利用できない植物資源である粗飼料の活用によって高品質な食料の増産を継続性のある産業として具現化するべく本シンポジウムを企画しました。
 地球温暖化対策も人類が克服しなくてはならない大きな課題となっています。我が国では2021年6月「2050年カーボン・ニュートラル」を目標に産業構造や経済社会の変革を大きな成長につなげるための「グリーン成長戦略」が作成されました。これに先んじて同年5月に農林水産省が「みどりの食料システム戦略:2050年のカーボン・ニュートラルの実現」を策定し、先端的デジタル技術を駆使した(デジタルトランスフォーメーション:DX)スマート農林水産業によるゼロエミッション化、食料の輸入依存を脱却するための地域資源最大活用を介して持続的農林水産業の構築などを推進することとなりました。
 本シンポジウムでは、中山間地の未利用林野や耕地、耕地面積の8%(琵琶湖の面積の6倍弱)に達している耕作放棄地などを放牧地として有効利用するために、DX支援放牧のポテンシャルを持続可能な飼養衛生管理という学術の視点だけでなく、農業ビジネスの視点、アニマルウェルフェアの視点、有効的カーボン循環の視点、先進地オーストラリアの視点から議論し、我が国に最適化された方策を考える機会としたいと思います。

日時 2022年3月20日(日)13:00~17:30
開催地 TKPガーデンシティ鹿児島中央 Room:屋久島(鹿児島県鹿児島市中央町26-1)
(ハイブリッド開催)
対象 どなたでも参加いただけます(要事前登録)
定員 なし
(対面も可能ですが、準備した部屋の感染症予防の観点から先着20名程度の限定とさせていただきます。)
参加費 無料
プログラム 13:30 開会の挨拶
眞鍋 昇(日本学術会議第二部会員、大阪国際大学学長補佐教授、東京大学名誉教授、中央畜産会理事、家畜改良センター理事)
座長:後藤 貴文(日本学術会議連携会員、鹿児島大学学術研究院農水産獣医学域農学系教授、家畜感染症学会会長、日本産肉研究会副会長)
13:10~13:45 「日本の放牧の現状と課題:周年親子周年放牧の普及に向けて」
山本 嘉人(国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構畜産研究部門研究推進部上席研究員)
13:45~14:20 「放牧のポテンシャル:オーストラリアの放牧戦略と未来」(オンライン講演)
Sabine SCHMOELZL(Commonwealth Scientific and Industrial Research Organization [CSIRO] Agriculture and Food上席研究員、オーストラリア)
14:20~14:55 「放牧と家畜飼養と環境保全:科学的な放牧の検証」
八代田 真人(岐阜大学応用生物科学部教授)
14:55~15:30 「放牧と新しい農業ビジネス:現状と課題」
小野 隆一(トゥルーバグループホールディングス株式会社社長)
15:30~16:05 「放牧におけるDXのポテンシャルと食肉生産」
後藤 貴文(日本学術会議連携会員、鹿児島大学学術研究院農水産獣医学域農学系教授、家畜感染症学会会長、日本産肉研究会副会長)
16:05~16:30 「医師から見た日本における放牧牛肉の可能性」
斎藤 糧三(日本機能性医学研究所所長、医師)
16:30~16:45 「放牧畜産基準認証制度の紹介」
田中 誠也(日本草地畜産種子協会専務理事)
16:45~17:20 総合討論
座長:
 後藤 貴文(日本学術会議連携会員、鹿児島大学学術研究院農水産獣医学域農学系教授、家畜感染症学会会長、日本産肉研究会副会長)
 吉澤 緑(日本学術会議連携会員、宇都宮大学名誉教授)
コメンテーター:
 木戸 恭子(国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 理事長補佐チーム長)
 木村 直子(日本学術会議連携会員、山形大学農学部教授、岩手大学大学院連合農学研究科教授)
 栂村 恭子(国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構畜産研究部門)
17:20~17:30 とりまとめと閉会の挨拶
眞鍋 昇(日本学術会議第二部会員、大阪国際大学学長補佐教授、東京大学名誉教授、中央畜産会理事、家畜改良センター理事)
 申込み 以下「問い合わせ」より事前参加申込みをお願いします。(3月15日(火)〆切)
申し込みいただいた方には、開催日までに視聴用URLをメールでご案内します。
 問合せ シンポジウム事務局(鹿児島大学農学部 食肉科学研究室内) 
E-mail: k2816597*agri.kagoshima-u.ac.jp (*を@に変更)
備考 主催:日本学術会議食料科学委員会畜産学分科会
共催:公益社団法人日本畜産学会、日本産肉研究会、家畜感染症学会
後援:一般社団法人日本草地畜産種子協会、鹿児島大学、大阪国際大学
*本シンポジウムは、文部科学省 宇宙航空科学技術推進委託費「過疎地活性化のための地球観測高精度測位による放牧地と放牧牛をモニタ可能な自動飼養システムの構築」、令和3年度鹿児島大学経営戦略経費「グリーン・デジタルによる畜産システムから食肉生産分野に係る異分野協働・地域連携型の教育研究事業費及び日本中央競馬会特別振興資金助成事業により開催される。