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原 尚幸委員(東京大学、応用統計学会)

横幹連合ニュースレター

<<目次>> No.012, Jan. 2008

巻頭メッセージ

活動紹介

参加学会の横顔

 
横幹連合に期待するもの
~横幹科学技術の深掘りと見える化を~
 
*
 
横幹技術協議会副会長
柘植 綾夫
 
◆【参加レポート】
 
第2回横幹コンファレンス
 横幹連合ロードマップ委員会
 WG3合宿
 
【横幹連合に参加している
 学会をご紹介するコーナー】
 
日本感性工学会
可視化情報学会

イベント紹介

ご意見はこちらへ

 
 
国際計算機統計学会第4回世界大会・第6回アジア大会国際合同会議

これまでのイベント開催記録
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巻頭メッセージ

横幹連合に期待するもの
~横幹科学技術の深掘りと見える化を~

 柘植綾夫 横幹技術協議会副会長

  芝浦工業大学

 「科学技術に駆動されるイノベーションの創出無くして21世紀の日本の活路は無い」、という国を挙げての覚悟のもと、第三期科学技術基本計画の実行が開始されてから、この3月で早二年が過ぎようとしている。国のあらゆる歳出削減が進む中で、唯一科学技術関連の歳出だけが伸びていることを科学技術コミュニティーの一人ひとりが再認識し、同基本計画で公約している「科学技術の成果による、国民、社会、世界への貢献」を実現する能力、すなわち「イノベーション創出能力」について、再点検と強化をせねばならない時期でもあろう。

 21世紀の今、科学技術は「ターゲットの拡散」、「スコープの拡散」および「ディシプリンの拡散」という益々進む3つの拡散現象の潮流に直面している。科学技術駆動型イノベーションの創出能力の点検においては、個別の知の創造能力そのものと、知の創造と社会的・経済的価値創造を結合する能力の両方の視点が必要で、どちらが欠けても科学技術基本計画の公約は果たせない。

 このうち、個別の知の創造は、ディシプリンの拡散の源流であるそれぞれの学術群のミッションとして競争にさらされており、自然選択説的な観点からは安心できる面がある。
 他方、「知の創造と社会的・経済的価値創造との結合能力」については、いったい誰が責任を持って国民、社会、世界への約束を果たすのであろうか。これを果たさずして、国を挙げた科学技術関連の歳出は社会的・経済的価値に結実しない。ここにこそ「横幹科学技術の使命」があるのだ。

 横幹連合と横幹協議会の両輪によって知の創造と社会的・経済的価値創造との結合能力の強化に挑戦したいとの思いから、筆者は「横幹科学技術によるイノベーション力強化策を考える研究会」を主宰している。しかし、現在までの成果としては、異分野の知の統合がイノベーションと産業活性化に重要な役割を果たすということの共通認識は得られたものの、具体的な活用・応用の可能な横幹技術の実態が産業側から見て不鮮明であることが浮き彫りになりつつある。その原因は「横幹科学技術の深掘りの不足と、見える化の不足」にあるようだ。このままでは科学技術駆動型のイノベーション創出を国民、社会に約束した科学技術コミュニティーは、その社会的責務を果たせず、ひいては21世紀の日本の活路も拓くことが出来ないのではないかという危機感すら強めている。

 おりしも、欧米ではナノ・バイオ・IT・認識科学技術等の統合技術「Converging Technologies」の創造に向けて、アカデミアを中心とした新たな潮流が起きている。筆者はこの欧米における「Converging Technologies」の探求の源流には、横幹連合が目指している「横断型基幹科学技術」の源流と同じ、「科学技術の社会へのミッション」があると考えている。この同じ源流をもつ新たな科学技術は、ある意味では「世界的なイノベーション創出能力競争における要」と位置づけることが出来るだろう。

 横幹連合と会員各位には、このように、横断型基幹科学技術が世界的なイノベーション創出能力競争における要となりつつあることを意識され、「横幹科学技術の深掘りと、見える化」を、国創りに結実する真の科学技術創造立国の実現に向けて、加速されることを期待している。

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