横幹連合ニュースレター
No.015, Oct. 2008
<<目次>>
■巻頭メッセージ■
知の統合学をめざして
舘 暲 横幹連合副会長
東京大学
■活動紹介■
【特別転載】
●「横断型基幹(横幹)科学技術とは何か」
(会誌「横幹」Vol.1 No.1掲載論説)
■参加学会の横顔■
●日本デザイン学会
■イベント紹介■
●第2回横幹連合シンポジウム
●これまでのイベント開催記録
■ご意見・ご感想■
ニュースレター編集室
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横幹連合ニュースレター
No.015 Oct. 2008
◆活動紹介
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【特別転載】
「横断型基幹(横幹)科学技術とは何か」(会誌「横幹」Vol.1 No.1掲載論説)
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「横断型基幹(横幹)科学技術とは何か」
(会誌「横幹」Vol.1 No.1掲載論説)
08年5月14日の定時総会において選任された横幹連合新体制の正副会長は、会員学会の執行部との face to face の懇談を精力的に行い、横幹連合への期待を伺うことなどを通して活動の足腰を強くするための行動を積極的に進めておられます。ところで、本ホームページの「会長あいさつ」において、木村英紀会長は次のように記されました。
・ | 横幹連合のように、統計系、経営系、数学や情報系、人間や生物系、社会系、制 御系など、異なる専門分野を糾合した学会の連合体は、ほかにありません。 |
・ | そして、そのような多岐にわたる学会は、何を共通項として横幹連合として結びついたかと問えば、横幹科学技術、すなわち『横断型基幹科学技術』をともに研究する団体として結びついているのです。 |
・ | 横幹科学技術とは何か、をさらに深く知りたい方は、会誌「横幹(1号)」に寄稿した論考をご一読いただければ幸いです。 |
「横断型基幹(横幹)科学技術とは何か」 本文(pdf)
また、この論説発表後のご考察について、木村会長にお話を伺いました。
Q この論文には、横幹連合の主唱している「縦」が縦割りの応用工学、「横」がそれらに横串をさす純粋工学であることが明快に指摘されており、横幹科学技術の基本文献のひとつであると存じます。その内容は、皆様にご一読いただくとしまして、その後のご考察につきましてお聞かせ下さい。
木村会長 この論考を執筆した後ですが、次のようなことに思い至りました。日本の技術には3つの弱点があるのではないか、と。それらを列挙しますと、「理論」「システム」「ソフトウェア」における弱点、となるのではないかと思います。 このうち「ソフトウェア」における弱点に関しては、暗号やシステム制御、最適化など新しい科学の誕生を日本が捉えそこねたことを、これまで知の統合ワークショップ「横断型科学技術と数学」(06年10月)などの機会に、指摘しました。 そして、日本の技術開発に関しては、「武谷テーゼ」などの形で理論化が試みられた(47年)以降も、ほぼ一貫して「経験・勘」が重要視されてきたということ。つまり、「理論」における弱点が、残念ながら見られるように思います。 さらに、「システム」に関しても、電話交換の技術や電気のシステムのような20世紀を代表する「人工物」に関して、要素技術の深掘りが足りなかったという弱点が存在しました。 こうした考えにつきましては、いずれ皆様の前で直接お話できる機会もあろうかと思いますが、横幹的な方法や視座が、こういったことに風穴をあけることができるだろうと、私は考えております。「横断的な視点で新しい知の創造を」というスローガンの実践の一つとして、ここにご紹介をさせていただきました。
(文責:編集室)   
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