「横幹連合に対する貢献と期待」
経営情報学会は1992年に経営情報に関する研究の推進と議論の場として設立された学会です。その使命は,情報やコミュニケーションと経営の接点に関心を持つ研究者,実務家、および教育者に対して,企業,組織,社会,また個人の情報および情報技術の活用に関する対話の場を提供することです。
経営情報学会の特徴は、(1)企業人・大学人が分け隔てなく共に参画し、啓発しあっていること、(2)ダイナミックかつオープンな学会を目指し、非学会員にも論文投稿の道を開いていること、(3)海外研究者との積極的な交流を深め、Pan-Pacific Conference on Information Systems(PACIS)などとの連携を通してこの分野において世界をリードしていること、などがあげられます。中でも、社会科学系と工学系の双方が同じ研究目的を持ち,自由な雰囲気の中で幅の広い研究活動を行っている点はきわめてユニークといえます。
学会の大きな柱は、学会誌と毎年春と秋に開催される研究発表大会の2つです。学会誌は年4回発行されますが、社会科学系・工学系両分野から数多くの良質な論文が発表されています。また、4回のうち1回は社会的あるいは学術的にアップツーデートなテーマを取り上げ、特集を組んでいます。一方、研究発表では特に若い研究者の発表が多いのが特徴となっています。
このように本学会は、情報・マネジメントに対するシステム科学など分野横断的な視点からのアプローチに特徴があり、それは必然的に従来の固有技術・固有科学の範囲を超えることになります。情報・マネジメントを切り口に、あらゆる方法論を総動員し現実問題の解明を目指す本学会は、横断型基幹科学において重要でユニークな貢献ができるものと自負しております。
同時に、30以上の学会が一堂に会した横幹連合からは、現実の生々しい問題意識とともに、分野を超えたモデルの同型性などの新しい気づきが得られ、そこから新たな学問分野横断的なモデル学がたてられるのではないかと強く期待しております。
期待と貢献が循環的に展開し、そのプロセスを通して横幹連合と本学会にとって新たな展望が開かれることを祈念しております。 |