横断型基幹科学技術研究団体連合
Transdisciplinary Federation of Science and Technology
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NEWS LETTER
VOL.002 July 2004
<<目次>>

◆巻頭メッセージ
・「2年目を迎えて」

◆活動報告
・2004年度総会
・【特別報告講演】
 「技術者と知的財産権問題」
・「横断型科学技術の役割とその推進」シンポジウム報告

◆特別講演要旨
「学際的なダ・ヴィンチ科学へ向けて── 顔学からのアプローチ ──」
・「新産業の創出と基盤技術」

◆参加学会の横顔
・経営情報学会
・日本統計学会

・日本ロボット学会

◆イベント紹介
「横幹連合とWSTST'05 について」

◆編集後記
 

NEWS LETTER No.002, July 2004
◆参加学会の横顔
 横幹連合の参加学会をご紹介していくコーナーです。

 経営情報学会    /平野雅章 会長(早稲田大学)
 日本統計学会    /竹村彰通 理事(東京大学)
 日本ロボット学会  /吉川恒夫 会長(京都大学)


経営情報学会
経営情報学会 会長 平野雅章氏(早稲田大学)
「横幹連合に対する貢献と期待」

 経営情報学会は1992年に経営情報に関する研究の推進と議論の場として設立された学会です。その使命は,情報やコミュニケーションと経営の接点に関心を持つ研究者,実務家、および教育者に対して,企業,組織,社会,また個人の情報および情報技術の活用に関する対話の場を提供することです。

 経営情報学会の特徴は、(1)企業人・大学人が分け隔てなく共に参画し、啓発しあっていること、(2)ダイナミックかつオープンな学会を目指し、非学会員にも論文投稿の道を開いていること、(3)海外研究者との積極的な交流を深め、Pan-Pacific Conference on Information Systems(PACIS)などとの連携を通してこの分野において世界をリードしていること、などがあげられます。中でも、社会科学系と工学系の双方が同じ研究目的を持ち,自由な雰囲気の中で幅の広い研究活動を行っている点はきわめてユニークといえます。

 学会の大きな柱は、学会誌と毎年春と秋に開催される研究発表大会の2つです。学会誌は年4回発行されますが、社会科学系・工学系両分野から数多くの良質な論文が発表されています。また、4回のうち1回は社会的あるいは学術的にアップツーデートなテーマを取り上げ、特集を組んでいます。一方、研究発表では特に若い研究者の発表が多いのが特徴となっています。

 このように本学会は、情報・マネジメントに対するシステム科学など分野横断的な視点からのアプローチに特徴があり、それは必然的に従来の固有技術・固有科学の範囲を超えることになります。情報・マネジメントを切り口に、あらゆる方法論を総動員し現実問題の解明を目指す本学会は、横断型基幹科学において重要でユニークな貢献ができるものと自負しております。

 同時に、30以上の学会が一堂に会した横幹連合からは、現実の生々しい問題意識とともに、分野を超えたモデルの同型性などの新しい気づきが得られ、そこから新たな学問分野横断的なモデル学がたてられるのではないかと強く期待しております。
 期待と貢献が循環的に展開し、そのプロセスを通して横幹連合と本学会にとって新たな展望が開かれることを祈念しております。

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日本統計学会
日本統計学会 理事 竹村彰通氏(東京大学 )
 日本統計学会は1931年 (昭和6年) に創設され、会員は統計学の基礎理論や応用の研究者、統計学に関連の深い他の分野の研究者、官庁の統計実務家、保険会社・電力会社等の将来予測に携わっている統計実務家、医学・薬学分野の統計実務家、企業で現状分析に基づく企画・企業戦略等に携わっている統計実務家、その他の統計家からなっています。
 会員数は 2003年1月1日現在で1,546名となっています。学会誌として日本統計学会誌 (Journal of the Japan Statistical Society、欧文誌年2回、和文誌年1回) を発行しています。

 統計学が自然と人間に関する科学及び活動の全ての領域にわたる基礎的かつ横断的な学問であることから、研究者及び実務家の専門分野は人文、社会、 自然、工学、医学等のほとんど全ての分野にわたり、きわめて学際的な傾向の強い学会です。とくに、大型計算機やワークステーション、パーソナルコンピュータの普及により、各分野における統計的データ解析手法の重要性がますます認識され、計算機科学の研究者や情報処理関係の実務家の入会も目立って増えています。

 また最近の顕著な傾向として、ゲノム、金融工学、環境問題、ニューラルネットなどの分野において、統計学の立場から取り組むべき新しい研究課題が台頭し、隣接する分野との研究面での交流もさかんになっています。さらに、小、中、高等学校でも統計に関する諸概念が導入され、学会の中では統計教育に関する研究等も活発に行われ、教育関係者の入会も増えています。

 年齢や研究歴の点では、若い会員の入会が相次いでいること、他の学会で活躍してきた研究者で、「統計的手法を用いた研究は日本統計学会で」という考えのもとに、日本統計学会に参加される方が増加していることが、最近の傾向です。

 あらゆる分野の科学の方法的基礎ともいうべき統計科学の発展をになっている日本統計学会に興味を持っていただければ幸いです。

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日本ロボット学会
日本ロボット学会 会長 吉川恒夫氏(京都大学教授)
 日本ロボット学会は、ロボット普及元年と呼ばれる1983年に創立されて以来、ロボット学とその応用に関する研究の進展と知識の普及をはかり、学術・技術ならびに産業の振興発展に寄与することを目的として活動を行ってきており、現在の会員数は約4,000名です。日本ロボット「工」学会でなく日本ロボット学会と称している理由は、学会設立にあたって、将来ロボットと人間との接点が多くなるにつれて工学技術のみならず広く人文社会学的側面にも取り組む必要があると考えたためです。

 主な事業としては、年一度開催の学術講演会、年10回発行の会誌、年10回発行の欧文論文誌(Advanced Robotics)、講習会、シンポジウムの開催、各種表彰、調査研究(研究専門)委員会設置、各種コンテスト支援、IROS、RO-MANなどの国際会議の共催、などを行っています。

 学術講演会は、たとえば去年度は東京工業大学で開催され586件の研究発表が行われ、約1,300名が参加しました。若い参加者が多いためか懇親会の飲食物がすぐになくなるという伝統を今回も守ってしまったようです。また科研費補助金を受けて行った事業「最先端ロボット大集合」は一般にも公開され多くの子供たちの姿が見受けられました。

 欧文論文誌については、会誌への論文投稿制度と両方をあわせ持つことになっており、相当大変なことですが、欧文論文誌担当の委員諸氏および事務局の努力のおかげで、欧文誌への論文投稿数もしだいに増加してきています。今後の国際化に向けて、日本から世界に向けての情報発信の一拠点として育てていきたいと考えています。

 横幹連合に関しては、ロボット学そのものが多様な学問分野の成果をその基盤としているという性格を有しているため、それらの多様な分野の学会と協力して共通する問題点を解決していければ考えており、横幹連合に期待するところ大きいものがあります。横幹連合の設立当初から参加させていただいておりますが、今後ともよろしくお願いいたします。

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